第29回東海北陸ブロックスキー技術選手権大会参加レポート

青山和敏(強化チームコーチ・ブロック技術員)

競技風景

競技風景

平成18年2月17日(金)〜19日(日)の日程で、ほおのきスキー場で行われました第29回東海北陸ブロックスキー技術選手権大会に強化チームとして参加して参りました。

大会前日に降った雨によりハードパックされ難易度の高いものでした。特に不整地はかなり厳しい条件が予測されました。しかし、大会期間中は好天に見舞われ順調に競技ができました。

強化チームとしては、17日(金)を事前合宿として行い、18日(土)から行われた競技に備えました。事前合宿では、主に硬い雪質の中での運動・ターンスペースなどビデオを使って確認し軽めの調整で終えました。

監督・コーチ 青山和敏、阪部 浩司、森 仁徳、佐野 高城
(森 仁徳、佐野 高城はコーチ補佐)
参加選手(男子16名) 柳原知礼、佐野弘史、小野田謙介、山口 誠、佐藤健太、木下光仁 中井俊暢、谷川大輔、阪野貴弘、村田記章、川村 毅 、小田切恭平 神谷洋輔、林 洋右、井上 拡
参加選手(女子6名) 濱島理恵子、宮原祥予、中嶋利恵、都築 朋子、松本美穂
(荻山浩加選手は国体出場のため欠場)

■ 競技日程・種目・使用コート
2月17日(金) 開会式、選手会  
2月18日(土) 大回り(急・整地) パウダー
中回り(中・整地) 白樺
小回り(急・整地) パウダー
小回り(急・不整地) マウント
2月19日(日) 大回り(急・ナチュラル) パウダー
総合滑降(総合斜面・ナチュラル) ジロー
閉会式・結果発表・表彰式  

結果報告

男子は残念ながら入賞者なしでした。10位に小野田謙介選手を筆頭に10位〜20位までに7選手が入りました。第2グループから抜け出せなかった状況でした。→男子総合成績(PDF,18KB,)

女子は競技1日目を終わった時点では濱島理恵子選手が1位でしたが、国体出場のため2日目はDSとなりました。しかし、宮原祥予選手が3位入賞と健闘しました。又、10位以内に全員が入り全体的にはまずまずだったと思います。→女子総合成績(PDF,11KB,)

大回り(急斜面・整地/パウダー)担当コーチ:阪部技術員

雪面状況は、硬くしまった状態だったが良く整備されており問題のない状態であった。得点の傾向としては、コートスペースをしっかりと使い、丸く大きな弧を描く中で、切り替え時のスキーの走り・躍動感溢れる運動をした選手に高得点が出ました。

その中で愛知の選手は硬い雪質で失敗したり、ターン後半外力に耐えている時間が長く、運動が止まってしまった選手もいたが、上位選手はトップコントロールの技術要素が表現できたと思います。

しかし、全日本で高得点を出すには、ターン後半早く抜け出し、きっちりとターン弧を仕上げる必要があると感じました。

中回り(中斜面・整地/白樺)担当コーチ:青山技術員

今年より全日本でも行われる種目であるが、あまりなじみのない種目でもあると思います。雪面状況は、硬くしまった状態だったが、パウダー同様良く整備されており、問題のない状態であった。前日の合宿では、スキーの選択で大回り用か小回り用かの見極めが難しかったが、大会コートはスキーが滑りやすく、小回り用のスキーでは、ターン後半詰まってしまう選手が多く見受けられた。スキーの選択には雪面コンディション・斜度・選手の特徴を良く見極めて判断する必要があると感じました。

得点の傾向としては、ターン弧をしっかり作る中でニュートラルゾーンのスペースをコンパクトに使い、中斜面というスピードを繋げ難い中、最後まできっちりトップコントロールをしてきた選手に高得点がでました。

その中で愛知の選手は、技術要素は上手く表現できていたが、スキーの走り・躍動感などターン全体の見せ方で得点が伸び悩んだ傾向がありました。この辺りは、全日本へ向けて大会斜面できっちり仕上げていきたいと思います。

小回り(急斜面・整地/パウダー)担当コーチ:青山技術員

午後という時間帯で若干コート表面が緩んできた状態であった。選択するコースで若干違いがあり、スキーの返りを使いにくい部分もあり、得点に差がつきました。

得点の傾向としては、技術要素はもちろん、早いリズムの中で最後まで運動を続けてきた選手に高得点が出ました。その中で愛知の選手は躍動感に欠けた部分があり、高得点が出なかったように思われました。

小回り(急斜面・不整地/パウダー)担当コーチ:阪部技術員

小回り整地/パウダーと同時進行で行われました。整地部分より木の陰になっている関係であまり雪質は緩んでない状態で、硬くしまったコブ斜面であった。ラインは3本。先週の愛知県決勝でできたラインが更に深くなっていました。最も乗鞍岳寄りが深く落差もあり難易度が高く、白樺コース寄りはリズムが細かく、雪面コンタクトを見せにくく、センターは不揃いのコブでリズムが作りにくいライン。その中で高得点は、乗鞍岳よりのラインに集中した。前日の練習でケガをした選手もおり、あまり無理をさせたくない状態だったので、ライン選択は選手に一任した。その中ではまずまずの内容ではなかったでしょうか。

しかし、全日本に向けては練習量を増やし、確実に点数を取りたい種目でもあり今後への課題を残しました。

大回り(急斜面・ナチュラル/パウダー)担当コーチ:青山技術員

昨日と設定が違いナチュラルということでしたが、ハードパックされており、ほぼ整地斜面でした。得点の傾向は昨日から同様と思われましたが、愛知の選手は昨日の反省点が少し修正でき、スピードに乗った中でしっかり弧を仕上げ、動きが出せたと思います。

総合滑降(総合斜面、ナチュラル/ジロー)担当コーチ:阪部技術員

ナチュラルという設定の通り、若干足元が気になる所がありましたが、この斜面の見せ場はやはり最後の急斜面での動きからゴールまでの変化の見せ方。

全体的な愛知の選手の印象は、自分の100%のスピードの中での演技になってしまい、外力に耐えている時間が多いことが気になった。高得点が出た選手は、ハイスピードの中でも自分の狙った運動が表現できていたと思う。全日本へ向けてスピードトレーニングが更に必要だと感じました。

まとめ

出場した愛知県選手団

出場した愛知県選手団

先週の愛知県予選・決勝に引き続いての大会で、愛知の選手は競技開始当日入りの選手が多く、気持ちも体も乗り切れていない感じを強く受けました。社会人が中心ですので止むを得ない所ですが、できれば前日の夜入りして、しっかりとコンディション作りをして欲しいと思います。その辺りは2日目の競技で解消されたことが多かったと思います。

全体的には、技術要素は表現できているが、全体の躍動感又はターンの仕上げ方など、今後の全日本へ向けての課題がはっきりするものでした。又、スピード・斜面が変化するにもかかわらず内面的な変化不足を感じ、単調な印象を受けたことが順位に現れたように思います。

今後は全日本へ向けて今回の反省点をコーチ・選手が共有し取り組んでいきたいと思います。

最後に今回の大会を主催いただきました岐阜県スキー連盟、大会役員の先生方、並びに、会場運営をしてくださったほおのきスキー場スタッフの皆さまのおかげで、無事大会を終えられたことに、この場をお借りして感謝申し上げる次第です。特に、ほおのきスキー場様には、監督・コーチのリフト券をご配慮いただき、併せて感謝申し上げます。ありがとうございました。