平成18年度スキー指導者検定準指導員検定会検定員講評

A班 肥田満裕、青木敬介、浅田薫夫、加藤智幸、鈴木将仁

肥田満裕(ブロック技術員・A班班長)

A班 肥田満裕、青木敬介、浅田薫夫、加藤智幸、鈴木将仁

シュテムターン(テールコントロール)

スキーを踏み出すタイミングと方向が悪く、リズムが途切れて間延びしたターンをしてくる方が多く見受けられました。そのため正確な外スキーへの荷重が見られず、舵取り後半で内向してしまうようです。また、正確なストックワークができない方が多かったのは非常に残念でした。

制限滑降

検定が1回の滑走で行うということもあってか消極的な滑りが数多く見受けられました。規制された中を滑る機会が少ないのか、単調な運動にとどまり、スキーを横に向けてしまうケースが頻繁に見られました。ポール滑走はアルペンスキーの醍醐味でもあります。今後、意欲的に取り組んでいただきたいと思います。

パラレルターン・小回り・不整地(トップ&テールコントロール)

非常に硬い斜面の中にコブが不連続で並ぶ難しい斜面状況であった。しっかりとフォールラインを維持しながら、リズム良い運動を維持し、スピードコントロールできた方に合格点がでました。全体的には練習不足の感が否めず、正確なストックワークと外向姿勢がとれずにターンが間延びする傾向が多く見受けられたのは残念でした。

B班 小室勝広、井上仁司、久野裕司、西川健、藤村孝三

小室勝広(ブロック技術員・B班班長)

B班 小室勝広、井上仁司、久野裕司、西川健、藤村孝三

パラレルターン・大回り・整地(トップ&テールコントロール)

ニュートラルゾーンを意識している滑りが少なかったように見受けられます。ターンの切り換え時の体の進行方向より外側のため、谷回りをうまく表現できない方が多く見られました。

パラレルターン・小回り・整地(テールコントロール)

テールコントロールにもかかわらずトップ&テールコントロールの滑りをされている方が見られました。また、ただズレているだけの方も若干見られました。テールのズレに乗りながらスキーを回転させる滑りを表現していただきたかったです。

プルークターン(トップ&テールコントロール)

プルークボーゲンからパラレルターンへの習熟過程で現れる形態ということが理解されていないと感じました。プルークボーゲンの横滑り要素からパラレルターンの縦滑り要素への移行過程に自然に現れてくる内スキーの同調が表現できれば問題ない種目と思います。

C班 加藤渡、後藤和広、鈴木文男、山口実男、山田大介

加藤渡(ブロック技術員・C班班長)

C班 加藤渡、後藤和広、鈴木文男、山口実男、山田大介

パラレルターン・大回り及び中回り・整地(トップコントロール)

ターンの始動が内スキーから行われ、内足主導のターンコントロールが表現されていること重点に採点しました。

中回りは、ターンとターンのつなぎのニュートラルゾーンが機能せず、次のターンに入るポジションが取れないために、結果的に外スキーからのターン始動になってしまう受検者が多く見られました。

一方、大回りは、ターン間に時間余裕があることによって、ニュートラルゾーンを持つことができ、中回りに比べて良いポジショニングが見られました。

いずれにしても、トップコントロールのターンの構造をよく理解し、身体とスキーの位置関係をよく考えて滑ることが求められると感じました。

プルークボーゲン(テールコントロール)

スムーズな荷重移動にかける方が多く見られました。スキーにウエイトをかけることによって回転運動を始動していること、動いていくスキーに対して適度な外向傾がとられていることが合否の分かれ目でした。

全体をとおして

全体として、各コントロールの使い分け、特にポジショニングを明確に理解していただきたいと感じました。そのためには、回転一つ一つが切り離されたものではなく、連続性を持ったものであることが大切であると考えられます。一つの回転の終わりが、次の回転の始まりである意識をしっかりと持ち、ターンをつなげていくことが必要です。

また、滑りの中で身体の動きをとめてしまう方が多く見うけられました。人間の身体運動が、スキーのターン運動を起こすというメカニズムを考えれば、スキーヤーとしての皆さんがもっと能動的に身体運動をする必要があると感じられました。

 

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