平成18年度指導員研修会理論B・実技@実施レポート

藤沢政弘(ブロック技術員)

平成18年度全日本スキー連盟指導員研修会理論B・実技@、A・B・C級検定員クリニックが12月9日〜11日の2日ないし3日間にわたり岐阜県の国立乗鞍青年の家、飛騨高山スキー場において254名の公認・準指導員の参加を得て開催されました。

今年は、降雪に恵まれ、ほぼ全面的に滑走可能な状況でした。特に飛騨高山スキー場様のご協力により、ゲレンデ全体(林道コースも含めて)が良く整備されとてもよい環境でした。

初日は理論研修が開催され、一柳SAA教育部長、梶田SAJイグザミナーにより今シーズン配布の教育本部オフィシャルブックに基づいた講義及びDVDを見ながらの解説がありました。特に、教育部と競技部の技術的な共通項を見ることができる最新版の「DVD SAJアルペンレーシングプログラム3〔チルドレン育成編〕 から、身体発達に伴うマテリアルの選択、コーチングの重要性が説明されました。個人的には梶田SAJイグザミナーの講義の中で滝下選手にまつわる部分の話が興味をひきました。

内田嘉韶SAA副会長の挨拶

内田嘉韶SAA副会長の挨拶

2日目の午前中に開会式、そして班別にわかれての滑走、午後からは市野聖治SAJイグザミナー委員会委員長の解説によりブロック技術員によるデモンストレーション滑走が行われました。この内容は来年の韓国インタースキーで発表される事になるであろうテーマに沿って実施されました。

    テーマ
  1. 骨で立つ
  2. 骨盤を使って滑る

市野聖治SAJイグザミナー委員会委員長による
解説の様子

デモンストレーションの様子

デモンストレーション滑走のあと各班別に分かれての研修となりました。 各班ではそれぞれオフィシャルブックに沿った内容、そして準指、指導員検定種目の理解を深めるといった研修が行われました。多くの班が緩斜面で今回テーマとなっている課題に(プルーク、プルークボーゲンや、プルークターンなどの種目から)取り組んでいたようです。
また、今回の研修会から志向別の班を選択できるということが取り入れられました。また志向別の班というのは、以下の通りです。

  1. 自身の技術向上
  2. 指導法
  3. 指導員受検
  4. 楽しみ
  5. その他
以上、5つの志向別の班を設けて受講生の興味ある講習を受けてもらうようにしました。
残念ながら、受講生のなかには、「知らなかった」「見ていない」などの意見もあり、せっかくの企画が100%生かされたかどうかはわかりません。 ただ、研修を受けに来るという従来の研修会のスタイルから受講生自身も一緒になって技術や指導法、楽しみ方などについて討議する、追求するというスタイルに変わっていくことは、受講生自身のスキルアップにとっても必要になっていくのではないでしょうか。

クリニック講師は市野SAJイグザミナー委員会委員長

2日目の午後の研修の後に検定員クリニックがあり、市野SAJイグザミナー委員長によりDVDを活用し今後の技術の方向性が具体的に説明がなされました。キーワードは「骨盤」、「股関節」です。昨シーズンの全日本技術選の覇者である佐藤久哉選手やナショナルチームのエース佐々木明選手のすべりから細かく説明していただきました。

3日目も降雪のある中熱のこもった研修が繰り広げられていました。シーズン初めにこれだけの距離をしかも良い雪質で滑られることは、大変重要なことではないでしょうか。

今年も他県からの参加者が見えられて研修されていかれました。新しいスキー技術をいちはやく見に付けたいとの思いでこられている方もおられました。 講師であるブロック技術員も部屋では、DVDを見たり、オフィシャルブックを読んでいたり、お互いに判らないところや気がついたところを指摘しあったり、研鑽に努めました。この熱い思いで今シーズンもスキー界の普及・発展に努めますのでよろしくお願いいたします。

また、2日目実技@の開会式では、10月に死去された故栗原三男SAA理事(東海スキー研究会・競技本部)へ感謝と哀悼の意を込め、全員により黙祷が捧げられました。これまで長い間、愛知県スキー連盟並びにスキー界の発展に寄与されてきた方のあまりにも早い逝去の報に戸惑うばかりです。長い間色々とお世話になりました。この場をお借りして心からご冥福をお祈り申し上げます。

最後に、今回お世話になりました岐阜県国立乗鞍青年の家の職員の皆様、飛騨高山スキー場様には大変お世話になりました。お蔭様で無事に終了できましたこと厚く御礼申し上げます。