第42回全日本スキー技術選手権大会参加レポート(出場選手)

小野田謙介(強化指定選手)


小野田謙介(愛知学院大学)

ジャンブ台を滑りたい・・・予選落ちした昨年の全日本の決勝を見ながら強く思いました。愛知が決勝なんて無理。そんな固定観念を自分が打ち崩したい。他の誰でもない、自分が。そんな気持ちで昨年の全日本が終わった時からトレーニングを積んできました。 しかし今の自分ではとうてい決勝に届かないのは1番自分がよくわかっていることで、その為にやらなくてはならないことを自分の中でハッキリとさせ、取り組んできました。それと同時に他の人に無い自分というものを表現していきたいという気持ちもありました。

そんなこんなで望んだ今年の全日本、目標は断固270点。その先にはジャンプ台・・・ しかし予選、本選とまったく自分の滑りができずくやしくて、くやしくて。こんな自分に腹が立ち今年自分がやってきたことがなにも出せずに終わってしまうのかと思うと涙が止まりませんでした。 準決、「ダメじゃないか」という気持ちと、「きっと通ってる」という気持ちを戦わせながら結果発表を待ちました。青山さんからギリギリ準決通過を聞いた時はホッとして、色んな重いものから開放されたような気分でした。何もできなかった今日までとは違う、もう一度自分を表現できるチャンスをもらえたことがうれしかった。(準決いけなかったら阪部さんに会わせる顔がなかったです)

準決の日、最初の種目のスタートからゴールを眺めてたのです。そしたらすごい数のギャラリーが見えて、その時自分のスキー人生で初めてスタート前にわくわくしたのです。早く滑りたい!自分を見てもらいたい!って。その時、「スキーってこんなに楽しいもんだったよな〜」て久しぶりに思い出したんです。その時が今回で1番良い滑りができました。やはり今回も1番自分の明暗を分けたのはメンタル面でした。今年はメンタルトレーニングも積んで、少しづつその効果も出てきてはいたものの、土壇場で発揮できるまでには至りませんでした。

結果的に目標の270点にも1点届かずジャンプ台にも程遠い順位で今回の全日本を終えてしまいましたが、新たな課題や自分が進んでいかなくてはならない場所が更に鮮明になった大会だったと思います。なによりスキーが楽しいと思えたことが自分の中での1番の収穫でした。

新しい体制の中で色んな思いをして、色んなものと戦いながら選手の為に一緒に頑張っていただいたコーチ陣、支えくれた先生達や、応援してくれた仲間達、いつも見守ってくれている家族、お守り、全ての人達に感謝しています。 引き続き愛知県の一位にはこだわり、次回こそは全日本での目標を達成させ、自分も見てくれてる人もドキドキさせちゃうような滑りをすると心に誓い、今シーズンもまたスタートさせました。