指導員研修会 理論A、公・準指導員養成講習会 理論A実施レポート

前山昌親(ブロック技術員)

村瀬孝幸・SAA副会長の挨拶
村瀬孝幸・SAA副会長の挨拶

平成16年11月14日(日)愛知教育大学講堂において、指導員研修会理論A265名、公認・準指導員検定受検者養成講習会理論A129名の参加で行われました。

当日は、前回の理論@と同様に参加者に対して会場設定などに関するアンケート、新潟中越地震で新潟県スキー連盟に対して義援金が集められました。

午前のセッション 公・準指導員養成講習会 理論A

スキーの特性に応じた基礎理論 (簗瀬歩・愛知産業大学)

「スキーの指導方法論」ということで、現場における指導の際の具体的留意点や、指導計画の立案と指導の展開・評価の方法と活用について、具体的な例を元に解説され非常にわかりやすい講議であった。

公・準指導員受検にあたって(佐藤二郎・SAJ専門員)

スキー指導員検定のカリキュラムについてお話しいただきました。公認指導員検定受検者に対しては、昨シーズンより「単位制」が採用されていることと一昨年までの検定との違いを説明されました。

スキーの運動特性と技術構造U(一柳達幸・教育部長)

平成17年度の研修テーマの解説があり、3つのターンコントロールにおける外スキー主導から内スキー主導へ、中心軸運動感覚から2軸運動感覚への具体的な解説がされました。非常にわかり易く受講者も理解できたのではないかと思います。

午後のセッション 

増田千春・SAJ教育本部クラブ振興部部長
増田千春・SAJ教育本部クラブ振興部部長

まず最初に、主管県連挨拶として村瀬孝幸・愛知県スキー連盟副会長より挨拶があり、冒頭全日本スキー連盟会長の交代が理事会において承認され堤義明会長から伊藤義郎会長になったこと、前回の養成講習理論@・指導員研修会理論@で新潟県中越地震義援金を新潟県スキー連盟に渡されたことが報告された。

2005年度教育本部テーマについて (増田千春・全日本スキー連盟教育本部クラブ振興部部長)

平成17年度の3つのテーマについてお話されました。

  1. 活性化 (受講対象者への各フィールドにおける指導方法の工夫)
    • 色々な分野、基礎スキー以外のジャンルのスキーにチャレンジ
      テレマークの団体や自然体験学習の団体とのジョイント、競技本部との連携でチルドレン対策としての素材の発掘、中高年対策、フリースキー、バックカントリーなどの分野への活動。
    • 指導対象者の年代構成や指向の多様化に具体的に対応する活動を立ち上げる。
  2. 更なる理解
    スキーヤーが行う身体運動
  3. 検定
    検定の理解不足、検定に向けた練習に片寄りがちであった

上記の3つのテーマを増田千春講師がかみ砕いて解説した。理解が深まったのではないかと思います。

2005年の方針
2005年の方針

昨シーズンの反省と課題
昨シーズンの反省と課題

スキーの壁 (市野聖治・全日本スキー連盟イグザミナー委員会委員長)

運動感覚
運動感覚

教程改訂後1年が過ぎ、各方面から反論や多くのご意見が寄せられてきている。このような大きな変化に対して必ずより戻しがあり、今年度はこの壁を乗り越えていきたい。特に、主観・内観部分に位置する「スキーヤーの感覚」と客観・外観部分の科学的な「知」の間の壁(「スキーの壁」)を融合させていくことがテーマになりました。

さらに中学1年理科教科書の自転運動の解説を引用し、スキーは自然の力によって自転運動と公転運動が起こされ、これによってターン運動が導かれているということをわかり易く解説されました。その上で、私たちがスキー上で行うべき運動はこの自然エネルギーの有効活用であり、その具体的なヒントとして古武術などを引用されながら2軸運動感覚、中心軸運動感覚として解説されました。