平成16年度愛知県スキー技術選手権大会ジャッジ講評

木塚達也(ブロック技術員)

木塚達也・ブロック技術員今回はA審判として予選・不整地・小回りをジャッジさせていただきました。選手の皆様寒い中、長時間ご苦労さまでした。

斜面の状況としては、コブは深いものの雪質は柔らかく、技術選の設定斜面としては比較的好条件だったと思います。

斜度の落ち込み具合とコブの深さ(ややしゃくれ気味)から、技量の差が比較的明確に出たような気がします。スキーのトップを素早く落とせる選手にとっては、雪質が柔らかいため比較的衝撃が少なくどんどんと攻めて行け、スキーのトップを落とせず板を横にしてしまう選手には逆にかなり手ごわい斜面だったのでないかと思います。(板をはずす選手が大変多かったのが印象的です。ビンディングのせいだけでは、ないように思います。)

不正地においてもスキーに合わせどんどん体を落とし、自分の意思でターンをしていく意識が重要です。結果、スキーのトップが素早く落ち、板も走っていくターンになっていきます。緩斜面と急斜面が短いリズムで繰り返される以外は、通常の小回りと基本的には変わりません。緩斜面から急斜面につなぐところが大切なポイントです。この際、体の後ろ側の筋肉(特に大臀筋やハムストリング)への意識が極めて重要だと思います(引っ張るのではなく、後ろから押し、落とす意識)。

そして、やはり最後は斜面に負けない強い勇気が必要です。

技術選で高得点を出すためには、きれいなターンだけでなく、やはりスピードが必要です。但し、スピードがあっても、ターンのないコブにぶつけるだけの滑りは我われの期待するものではありません。

スピード能力を上げるためには基本技術をマスターした上で、自分のスピードの限界にどんどんチャレンジして下さい。

その向こう側に、きっと素晴らしい快感を伴う世界が待っていることでしょう。